土地家屋調査士とは土地や建物などの不動産に関する登記のエキスパートで国家資格です。資格試験には受験制限が無く、誰でも受験することができますが、平均年収が1,000万円以上ともいわれる安定した収入を得ることができる、不動産業界の資格の中でも非常に人気の高い資格です。不動産の登記というのは、国による土地や建物の台帳のようなものです。登記をすることによってその不動産の表示(正確な広さや状況など)と権利関係(所有者など)を明らかにすることができますが、その為の土地建物の調査、測量から登記までの手続きを当事者を代理して行うのが土地家屋調査士の業務です。土地家屋調査士資格は、資格を取得していないとその業務を行うことができない業務独占資格です。権利関係の登記の専門家である司法書士は法務局の周辺に事務所を構えることが多いのですが、土地建物などの不動産は現地での測量、確認作業が欠かせないので土地家屋調査士事務所にはその様な特徴はありません。法律に照らし合わせた正確な書類を作成する業務と、実際に現地に出かけ測量器具を使った作業という、一見相反する業務を処理する能力が求められますので、「身体を動かすのが好き」かつ「座って仕事をするのが好き」でないと土地家屋調査士の仕事には向いていないといえるでしょう。また、司法書士、測量士、宅地建物取引業主任者など登記や不動産に関係する複数の資格を取得して、さまざまなニーズに応える土地家屋調査士を目指す人も多いのが特徴です。

土地家屋調査士試験の概要と免除制度

土地家屋調査士の資格試験は毎年8月に筆記試験の一次試験と二次試験がが行われ、筆記試験の合格者のみを対象とした口述試験が11月に実施されます。筆記試験は多肢択一式と記述式となっています。また口述試験は不合格者はほとんどいないので、筆記試験を合格すれば問題が無いレベルと言えます。土地家屋調査士の試験には一部免除の制度があります。測量士、測量士補、一級、二級建築士の資格を取得していると筆記の二次試験である試験の平面測量と作図が免除になります。土地家屋調査士の合格率は例年5%以上10%という難関なので、一次試験に集中するためにも免除制度を活用する人は合格者の8割から9割程度と言われています。免除制度の条件となっている資格の中で、一番取得しやすい資格が測量士補です。測量士補は、合格率25%程度の国家試験に合格するか、大学や短期大学において測量に関する科目を履修して卒業することとなっています。土地家屋調査士の試験より測量士補の試験の方が日程が先(試験日は5月)なので、順番に受験しても良いのですが、より少ない学習で土地家屋調査士の試験に合格するには、大学の通信講座を活用する裏技があります。既に大学を卒業している場合には、通信制の大学に編入して測量に関する科目を履修することで、試験勉強をしないでも短期間で測量士補の資格を取得することができます。二次試験が免除されることにより学習を一次試験に集中することができるので、是非この制度を活用しましょう。

土地家屋調査士としての開業と報酬

土地家屋調査士の年収は平均1000円程度といわれています。これは、土地家屋調査士自体の数が需要に対してほぼ均衡していることと、報酬の基準が定まっているため過当競争による不当に安い報酬で営業する土地家屋調査士がいない、不動産取引自体が景気にあまり左右されないことなどが原因です。土地家屋調査士として仕事をするには、日本土地家屋調査士連合会に登録をし、土地家屋調査士会の会員になる必要があります。土地家屋調査士会は日本全国の各都道府県に設置されています。土地家屋調査士は「一調査士一事務所主義」といって、一人の土地家屋調査士が複数の営業所を構えることができません(逆に複数の調査士で一つの事務所を運営することは可能です)。その為、開業に際しては立地条件が極めて重要なポイントと成ります。これから開発が始まるような郊外であればしばらくは仕事に困ることは無いでしょうし、都心部であっても老朽した建物の再開発が頻繁であれば定期的な仕事を見込めるでしょう。また、仲間であり商売敵でもある他の土地家屋調査士事務所を把握することも必須です。しかし、実務経験が無い場合はまず既に開業している土地家屋調査士事務所や土地家屋調査士法人に就職し、まずは実際の業務を先輩の土地家屋調査士の指導の下で経験することが一般的です。老齢の土地家屋調査士の場合ならば事務所をそのまま引き継くこともありますし、土地家屋調査士法人で安定した勤務をするという選択肢もあります。