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居酒屋でつい頼みたくなるホッケ、旅館の朝食の定番といえば生卵、味付け海苔とアジの干物、炭火で焼き上げた脂の乗った秋刀魚に大根おろしを乗せて。日本古来の保存食である魚の干物は、戦後日本人の食生活が欧米化したといわれる今でも懐かしく美味しい食材であることには変わりない。特に最近では魚の持つDHAやEPAなどの栄養素が脳梗塞、心筋梗塞などの病気を予防する効果や、歌で有名になった「頭が良くなる」などの効果が注目を浴びたことからその食材としての評価が見直され人気を集めている。干物(特にここでは開いた魚の干物に限定する)は生魚に比べ安価で手に入るが、優れた栄養価とともに保存性も高く、ほぼ一年中買い求めることができる。酒の肴に、あたたかいご飯と一緒に食べれば幸せな気分になれる食材である。しかし近年では冷蔵技術の向上により、干物の保存食としての側面は薄れてきた。加えて成人病の増加により塩分の過剰摂取をさける意味でも、干物に使用される塩分自体が少なくなってきている。そのような背景から現在の干物はもはや保存食ではなく、干すことにより栄養価(カルシウム、カリウム、ビタミンD等)を増加させた立派な加工食品ということができる。と、まあそんな能書きはともかく、美味い干物を食べるにはどうしたら良いか。近所のスーパーの魚介コーナーで買うのとは比べ物にならないような干物を味わう方法がある。それでは、干物の通信販売の利用方法と、究極の干物として自宅で簡単に手作りする方法を紹介しよう。

干物の通信販売を利用する

通信販売という取引には相手の顔が見えないというデメリットがある。お金を払っても商品が送られてこなかったり、送られてきた商品が広告と違っているものだったり、余り物処分の詰め合わせだったりと、一抹の不安が付きまとうのは確かだ。ことにそれが干物という工業製品でもなく、事前に写真を見て選ぶこともできないものが対象となれば尚更利用するのに躊躇してしまうというものだ。では何故あえて通信販売で干物を利用するのだろうか。確かに通信販売には「顔が見えない」というデメリットがあるが、現在の通信販売は店頭販売と同様、或いはそれ以上の厳しい目にさらされているのだ。 ネット通販を利用する、しかも現在では保存食というより生鮮食品である干物を購入するというのはかなりヘビーなネットユーザーということになる。その様な利用者に対してもし何か不手際があれば「あっ」という間に炎上してお祭り騒ぎになってしまうのだ。それこそ二度と商売ができなくなるくらいだ。つまり、ネットショッピングで干物を販売するというのは、販売する側にとっては万全の自身があることの裏付け以外の何物でもない。食の安全性が強く叫ばれている今、あるいはもっとも危険性の少ない購入手段といっても良いかもしれない。肝心の販売業者の選び方は簡単だ。googleとyahooで干物で検索をかけ、両方で5位以内に入ってくる業者を選ぼう。少なくと大ハズレは無いはずだ。自分にとってベストの業者を選ぶのは実生活と一緒で、いくつか試してみる必要があるが、実生活と異なりわざわざ沼津や小田原まで赴く手間は無いので居ながらにして美味い干物を手に入れることができるはずだ。

干物を自宅で手作りする

スーパーの干物では到底好みに合わず、通販の干物も何か違う、そんな人のための究極の手段は手作りです。干物の作り方は簡単です。内臓を取り除き、開いてから塩水につけて干すだけです。というとちょっと簡単すぎるので、もうちょっと詳しく解説しましょう。干物にする魚によって多少アレンジする必要はありますが、まずは腹の真ん中に包丁を入れて内臓をかき出しましょう。あらかた内臓が出せたら一度水洗いします。次に中骨に沿うようにして腹骨を包丁の先で切りながら身を開いていきます。最初のうちはまず中骨だけ切りその後で身を切っていくと上手に開けます。刺身とは違い、少々包丁使いが下手でも干物にしてしまうと気にならないので、気軽にチャレンジしてみましょう。鰯は先に頭を落とし、鯵は身を開いてから頭を割るように切り開くと良いです。開き終えたらもう一度軽く水洗いしてから塩分濃度20パーセントの塩水に20分ほどつける。(身の厚い魚は時間を増やす)なお、塩水につけずに塩を振る手法もあるが、塩分を一定にするのが難しいので初心者は避けたほうが良いでしょう。干す前に手を水で洗いながら身を撫で付けるようにして表面の塩を洗い流すと、実が崩れるのを防ぎ、艶やかな仕上がりになります。(表面の塩分を残しておくと浸透圧の作用で水分が抜け過ぎてしまう為)干す時間は2時間から3時間、炎天下を避けて天日干しにします。強い日差しに干すと表面だけ乾燥して身が割れたりするので、風通しの良い日陰に干すだけでも良い干物ができます。身の表面に膜を張ったようなツヤができれば完成です。