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公認会計士とは、会計・監査のスペシャリストである。同様に会計に密接にかかわる資格に税理士があるが、税理士がどちらかといえば顧客の側に立って業務を行うのに対し、公認会計士は上場企業の会計報告が適正であることを投資家に対して証明するという、より公益性、社会性の高い資格といえる。公認会計士の資格は弁護士、医師とならぶ難関で3大国家資格といわれている。公認会計士の主な業務は監査業務であり、その対象は株式市場に上場している企業だ。上場するということは株式を公開することによりその企業の成長を期待する投資家から資金を調達することを意味する。投資家は企業が公表する財務書類を投資の指針とするのが一般的であり、その財務書類をチェック(監査)して適正であるという証明をする、いわばお墨付きを与えるのが公認会計士である。しかし最近ではライブドアやカネボウの粉飾決算では公認会計士が有罪判決を受けるなど、その職務の責任が極めて重く、社会に与える影響力が高いことが指摘されている。このように公認会計士の職務は株式市場という日本経済そのものの公平性、中立性を支えるものといえる。監査業務は単なるチェックではなく、日常の企業活動に関与することにより適正な会計、ひいては経営が行われるようにすることも重要が業務である。従ってアドバイスやコンサルティング業務により企業のコンプライアンス(法令順守)や内部統制を充実させることを通じ、結果的に適正な監査結果を実現することになる。また平成17年の会社法制定により会計参与として財務書類の作成に関わることができるようになった。

公認会計士試験の概要

従来の公認会計士の試験は受験制限無しの一次試験、短答式、論文式の二次試験、筆記、後述式の三次試験という三段階方式となっていたが、平成18年の改正後の新公認会計士試験では受験資格制限無しの一段階試験となった。従来の一次試験は大学、短大、高専卒業者は免除され受験数も少なく、門戸を広げる意味でも廃止となった。二次試験は合格率が10パーセントを切る難関で実質的な試験であった。三次試験は合格率が6割程度で、二次試験合格後何度でも挑戦できた。従って、新公認会計士試験は二次試験のみとなって内容(科目)と形式が改正されたものといえる。試験科目は旧二次試験の短答式が簿記、財務諸表論、原価計算、監査論、商法であったが、財務会計論(簿記、財務諸表論)、管理会計論、監査論、企業法となった。論文式は短答式の科目に加えて経営学、経済学、民法の3科目から2科目を選択する形式であったが、租税法が必須として加わり、選択科目は統計学を加えた4科目から1科目を選択することとなった。また、旧二次試験は短答式論文式両方を一度に合格しなければならず、試験の難易度を高めていたが、新公認会計士試験では科目合格制度が導入され、論文式の各科目で合格点を取得した場合、以後2年間は試験が免除されることとなった。(税理士試験のように無期限有効ではないことに注意)なお、短答式試験には科目合格制度は無いが、短答式に合格すると以降2年間は短答式試験が免除となる。

公認会計士試験の詳細

公認会計士資格試験は短答式試験が毎年5月の最終日曜日一日に、論文試験は毎年8月の週末を含んだ三日間となっている。以前は短答式試験が2週にわたっての日曜日二日間、論文試験が平日の三日間だったので受験者としての負担はやや軽くなった一方、短答式は1回勝負となった。公認会計士はその需要に対して絶対的な人数が不足していることから新公認会計士試験で大幅な改正がなされた。平成19年度の合格率は新規で15、旧合格者を含めると19パーセントと大幅に上がったが、依然として資格試験としては難関の部類に入っており、独学はほぼ不可能という評価は変わっていない。特に、公認会計士を志す受験者は有名大学の卒業者が多く、合格基準が相対評価である場合(従来の合格基準は受験者数の上位の一定の割合が合格となる相対評価となっていたが、改正後もそれが引き継がれたのかは不明である)はそもそも受験者全体のレベルが高いので計画的効率の良い勉強が必要となる。受験者の多くは専門学校に通い、おおむね二年程度の学習が必要と言われている。学生のほか社会人の受験も多く、夜間コース、休日コース、通信制コースなどさまざまな講座があるので、自分のライフスタイルにあったものを選ぶことができる。論文問題では基礎知識の蓄積のほかに会計士業務への理解度が試される問題といってもよく、独学で学習することを選択した場合でも最低限専門学校主催の模擬試験は受験しておくべきだ。