ツアーコンダクター(略称ツアコン)とは、その名のとおり旅行(ツアー)における指揮者(コンダクター)のような存在で、安全で快適な旅行を実現する旅行業界の最先端の仕事である。旅行業法では「旅行に参加する旅行者に同行して、必要な業務(旅程管理業務)を行う者」となっている。ツアーコンダクターというと横文字の職業名から受ける印象は海外旅行の団体ツアーに添乗する飛行機に乗っている姿を想像してしまうが、職業としては「添乗員」であり、海外旅行も修学旅行でも同じである。ただし必要とされる資格には違いがあり、ツアーコンダクターの資格は旅程管理主任者というが添乗が国内に限られる国内旅程管理主任者と海外旅行にも添乗できる総合旅程管理主任者とに別れる。いずれの場合も計画とおりに旅行を実施するため、各種交通機関、旅行施設(宿泊、休憩、食事等)などへの高い対外調整能力、折衝、交渉能力が必要である。また旅行者に対しては説明や苦情処理など接客能力が求められる他、観光地等旅行先の情報収集能力も必要となる。海外旅行ではこれらに加え、語学力はもとより、その国の文化や現地の慣習、法律宗教までと幅広い知識が必要となる。すなわち、旅程を管理するマネジメント的な役割と、旅行者を快適な気分で楽しんでもらうというサービス業的な役割という二面性を持っている。特に接客においては数日間にわたる長い期間行動を共にするため、人と接することが好きで、誠実な性格でないと勤まらない職業である。

ツアーコンダクター資格の取得方法

ツアーコンダクターとして仕事をするのならば、原則的には旅程管理主任者資格が必要となる(例外的に複数のツアーコンダクターがその旅行にいる場合は上位のツアーコンダクターが資格を持っていれば、下位のツアコンは添乗員業務は可能)。旅程管理主任者の資格は、国に登録された研修機関が実施する旅程管理研修を終了した上で、添乗実務の経験が必要となる。まずは研修を受けるのがツアーコンダクターへの第一歩であるが、研修を受けるには一定の条件がある。登録された研修機関のうち、日本旅行業協会と日本添乗サービス協会は旅行会社や添乗員派遣会社を会員とする社団法人であり、会員となっている会社へ所属していないと研修を受講することができない。従って、ツアーコンダクターになるにはまず旅行会社へ就職するか、添乗員の派遣会社へ派遣登録することが第一の条件となる。派遣登録から資格取得まで一貫してバックアップする研修期間もあるので、自分にあったものを選ぶと良い。研修期間は国内旅程管理主任者の場合は3日、総合旅程管理研修の場合は5日程度の研修機関が多い。なお、旅行業務が未経験の場合、加えて3日程度の基礎研修が必要となる。研修ではあるが期間中にテストがあり、一定の点数を取得しないと修了とはならない。研修内容としては添乗員としての役割など基本的なことから、バス、列車、航空機の添乗についての準備から異常時の処理、総合コースであれば外国語の会話や文書についても学習します。

ツアーコンダクターの実務研修(実務経験)

さて、旅程管理主任者の研修を修了したら、次は実務経験が必要となる。実務経験は研修修了前後の1年間に1回以上、または研修終了後5年以内に3回以上の添乗経験が必要となる。添乗経験は旅程管理主任者が主任添乗員として添乗する旅行に同行して補助添乗員として添乗業務を行う方法のほか、添乗員派遣会社、もしくは協会が行う実務研修に参加することでクリアすることができる。従来、ツアーコンダクターは旅行会社に所属し、旅行の企画立案から募集、各種手配を行いなおかつ添乗員業務を行う者もいたが、現在はそういった旅行会社は少なく、旅行会社は企画から営業、手配まで、ツアーコンダクターは添乗員派遣会社に所属し添乗業務のみを行う、といったように分業が進んでいる。従って、ツアーコンダクターとして活躍したいのであれば添乗員派遣会社に登録するのが主流である。旅程管理主任者の資格を取得しても、当然すぐに一人でツアーコンダクターになれる訳ではない。まずは資格を取得する条件以外に主任添乗員に同行し補助添乗員として添乗経験を重ねる。ある程度経験を積んだ上で国内又はハワイやグアムなどいわゆる定番の旅行先で主任添乗員として業務を行うケースが多いようだ。主任添乗員として指名されるかどうかは旅行会社の評価によるので、ツアーコンダクターとしてバリバリ活躍できるかどうかは、本人の努力次第といえる。