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 「恐るべきさぬきうどん」によるうどんブームで、一躍讃岐うどんは有名になった。今でも遠方から香川の製麺所までうどんを食べに行く人も多い。しかし、四国近辺に住んでいるのでなければ、近くもない香川県までうどんの為だけに頻繁に行くことは難しい。讃岐のうどんは非常に安価であるのもその特徴であるが、交通費を勘定に加えたらとんでもなく高価なうどんになってしまう。セレブでもない私にはそんな贅沢はしていられない。最近ではチェーン店のうどんも質が上がったとはいえ、やはり本物の味を一度でも知ってしまったら物足りないのは確かだ。しかしそんな場合でも一つ良い手段がある。それは、自宅でうどんを手作りしてしまえば(打ってしまえば)良いのだ。確かに店で食べるのに比べれば少々時間はかかるのだが、香川県まで行くのに比べれば時間はかからない。それに、同じ麺類である蕎麦に比べれば小麦粉の方が安価に手に入し、生地も扱いやすい。それにパスタマシーンのような特別な道具も必要ないのも初心者には嬉しい。実はうどんは、麺類の中では失敗しにくいのだ。自分の好み通りのうどんを食べたければ、是非一度は手打ちうどんに挑戦してみて欲しい。
まず、うどんを打つのに必要なものは何だろうか。材料としては、小麦粉と水と塩と片栗粉(打ち粉用)だけだ。粉は高価なものは必要ない。特に最初の内は失敗や試行錯誤の可能性も考えて一般的なものを購入すれば良いだろう。

手打ちうどんに必要な道具をそろえる


次に手打ちうどんに必要な道具だが、これも最初のうちは特別なものは必要ない。家庭にある調理道具で十分事足りる。ボウル(こね鉢)、包丁、まな板、麺棒、鍋、スケールだけである。
 生地をこねるボウルやこね鉢はやや大きめのものがあると良いが、これもどうしても一度に大量にうちたいのであればテーブルをきれいにふき、そこで生地をこねることもできる(少々掃除が面倒ではあるが)。包丁は、麺切り専用のものが沢山販売されているが非常に高価である。月に一度やるかどうか、という趣味の範囲の麺打ちであれば、菜切り包丁や文化包丁でも十分だ。もちろん切れ味は良いにこしたことはない。まな板も、大きければ大きいほど便利であるが家庭用の普通のサイズでも充分用は足りる。麺棒は無ければ100円ショップで買ってこよう。パン生地やピザ生地ならば丈夫なラップの芯を使う事も出来るのだが、手打ちうどんの生地は硬めなのでちょっと無理がある。30センチ程度の長さで良いので一本用意しておきたい。スケールは1グラム単位で計量できる電子タイプのものが便利だ。他の料理と異なり誤魔化しがきかないので、粉、水、塩の分量は厳密に軽量し、その都度記した方が失敗を少なくし、理想の配合に到達する近道になる。
 分量の割合としては、粉に対して塩が5%、水は40%程度が一般的なようだ。粉を300グラムにしたら塩は15グラム、水は120mlだ。最初の内は粉を200グラムで作ったほうが生地の取りまわしが楽だ。生地の硬さは、少々作業し辛い程度の硬さの方が歯ごたえが良く腰の強いうどんができる。

手打ちうどんを打つ

では、いよいようどんを打ちはじめましょう。先ず、水かぬるま湯に食塩をいれてしっかり溶かしておきます。ボウルの小麦粉に少しずつ塩水を入れながら軽くかき混ぜて全体を均一に混ぜていきます。塩水を入れ終わったら、力をこめてこねながら生地をまとめて行き、親指の付け根のあたりで体重を掛けるようにして10分ほどこね続ける。生地がある程度まとまったら、丈夫なビニール袋を2重にしたものに入れ、かかとで強く踏み込むようにしても良い。こね終わったらビニール袋に入れ30分ほど寝かせる。冬場は新聞紙に包んだりして温度が下がらないようにする必要がある。寝かし終わったらもう一度、5分ほどこねてから今度は麺棒を使って延ばしの作業に入る。麺棒を使う前に、生地を少し手で押して平らにしておくと後が楽だ。かなり力が必要になるが、少しずつ四角く整形するつもりで麺棒を根気良く使って延ばして行く。生地の厚さは3ミリほどを目安にし、後は好みで調整する。打ち粉を軽くしてZ型に折り畳み、4ミリほどの幅で端から切って行く。裏技だが、かまぼこ板を定規代わりにすると作業効率がぐっと上がる。
 鍋にたっぷりの湯を沸騰させておいて、打ち粉を払ってから麺を投入する。茹で時間は10分程度が目安であるが、厚さや幅で異なるので、茹でながら歯ごたえを確認し試行錯誤する必要がある。笊うどんであれば笊に上げてから水で洗う。夏場は氷水を使うと引き締まり良い歯ごたえになる。冬場は生卵と生醤油の入った丼に入れる釜玉も美味い。